ジーボのブログ

このブログはおもにジーボが読んできた絵本について紹介するものです。

絵本 「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」あとがきを紹介。

 皆さんこんにちは。ジーボです。今回は昨日紹介した「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」のあとがきについて書きます。あとがきは原案の坂本義喜さん、作文をされた内田美智子さん、絵を描いた魚戸おさむさんの3人がそれぞれ1頁を使ってこのお話に対する思いを書かれています。以下に順に紹介していきます。

自分の仕事の意味  坂本義喜さん(食肉解体作業員)

 このお話は今から二十数年前に実際に体験したことだそうです。最初は運ばれてきた動物たちを肉にする仕事で動物たちに対してかわいそうという感情はなく、ただ大きくて獰猛な存在でしかなかったといいます。女の子がみいちゃんの首から肩を撫でている時のみいちゃんの幸せそうな顔を見てこんなにおとなしく利口な牛がいることを初めて知ったそうです。翌日みいちゃんを見に行くと初めは威嚇してにらむけれど時間が経つにつれ、みいちゃんから寄ってきて坂本さんの手をなめてくれたといいます。このとき自分の仕事は動物たちが少しでも楽な気持ちで天国に行けるようにすることだとわかったそうです。その後、動物たちの不安な気持ち、死にたくない気持ちを誰かに知ってほしくて、忍君の学校で話をしたことが講演活動のきっかけになったということです。三、四十年前まではこのような話ができる時代ではなく、食肉解体作業の仕事を知る人も少なく、知っていても良いイメージは持たれていなかったようです。坂本さんは大人たちにはこの仕事を正しく理解してもらい、子どもたちには命の尊さや世の中には色々な仕事があることを知ってほしくて講演活動を続けているということです。

奇跡の出会い  内田美智子さん(助産師)

 ある小学校の体育館で助産師としての自分の講演の準備をしている時に坂本さんが先に講演をしていたそうです。初めは準備をしながら何気なく聞いていたそうですが、だんだん話に引き込まれ、最後はハンカチを握りしめながら嗚咽が漏れるほど泣いてしまったということです。この話をたくさんの大人や子供たちに伝えたいと思い、その日のうちに文章にまとめて、後日絵本にしてほしいといくつかの出版社にお願いしたそうです。命のありようの伝え方、命をいただくことの意味を伝える手段はほかにもたくさんあると思うが、坂本さんの語る命のいただき方は多くの人に知ってほしいと思ったといいます。助産師として三十四年間、人の命の誕生の瞬間に立ち会って、母親から命の力を分け与えてもらうことで私たちの命は存在するのだと伝えてきたけれども、その命をつないでいくためにはあらゆる命を殺生していただいていくしかありません。そのことを考えるとき、坂本さんのお話は最高の材料になると思ったそうです。絵本になったあと、あるイベントで坂本さんと対談する機会があり、その時のお話の中で印象に残っているのが帝王切開の話だそうです。帝王切開は普通、人間でも動物でも出産時に母親と子どもの命を救うために行うものですが、坂本さんたちが行う場合は母牛の命は諦めて、子牛だけを助けるそうです。もちろんそうするしかないからなのですが、その助けた子牛が数年後にまた坂本さんたちの所に来るのはつらいとおっしゃっていたそうです。人間の出産だけを見てきた内田さんにとってはとてもショックだったということです。肉になる命も私たち人間と何変わることのない一つの命で、それをいただく限りは感謝を持って最後までいただくということが、私たち人間に課せられた義務なのだと思い知らされたということです。

わらしべ長者のような絵本  魚戸おさむさん(漫画家)

 このお話はまるで”わらしべ長者”のような縁で絵本になったと魚戸さんはいいます。ここではその過程について語られています。

 この絵本のお話を書かれた助産師の内田さんが、ある日、食肉解体作業員の坂本さんの講演を聞いたことから始まりました。内田さんは坂本さんのお話に大変感銘を受け、内容を作文にして坂本さんに目を通していただいたうえで、内田さんの講演会で朗読して人に伝えていたということです。それと同時にいくつかの出版社などに本にできないかと相談し、興味を持った新聞社の方が小さなサイズの本にしました。この本なら魚戸さんも坂本さんの話を人に伝えられると思い、たくさんの人にプレゼントしたそうです。その中に読み聞かせのボランティアをしている主婦の方がいて、とても反響があり、もっと多くの人に伝えたいので広い教室の後ろからでも見えるように紙芝居サイズの絵を描いてほしいと依頼され、書き上げたということです。本当はその主婦の方にだけプレゼントするつもりだったそうですが、話を聞いた内田さんが、本を出版してくれた新聞社にかけあって、製品として「紙しばい いのちをいただく」ができあがったそうです。その後漫画家仲間の前で発表する機会があり、仲間から「内容が素晴らしいので更に何か別の形にできたらいいね。」と褒めてもらい、その一年半後にはデジタル紙芝居(DVD)として完成したそうです。そして同時進行で制作されていたのが「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」の絵本だったということです。

 

 いかがでしたか?この本はぜひ、たくさんの人に読んでいただきたいとジーボも思います。では、またの機会にお会いしましょう。